耳鳴りとTRT

耳鳴りとTRTについて

耳鳴りを治す治療としてTRT療法と呼ばれる方法があり、これは「Tinnitus Retraining Therapy」の略で、耳鳴りを自然な音として感覚的に慣らしていく訓練のことを指しております。

 

TRT療法は1980年代後半に、アメリカのJastreboff博士らによって開発され、日本でも急速に普及されるようになりました。

 

まだまだ発展途上の段階ではありますが、幾つかの医療機関によってTRT療法は実施されており、耳鳴りを改善する有効率は約80%だと言われているので、非常に効果の高い治療法だということがお分かり頂けるはずです。

 

日本ではTRT療法ではなく、「耳鳴り再訓練療法」や「耳鳴り順応療法」とも呼ばれており、耳鳴りを不快な音として認知するのではなく、訓練によってより自然な音へと導いてくれます。

 

TRT療法は、耳鳴りによって引き起こされる日常生活の不安を取り除くためのカウンセリングと、不快な音をソフトに和らげる機械を使って処置を施していくのです。

 

補聴器のような専用の機械からは、「サー」という静かな雑音が流れ、これを装着することによって、だんだんと耳鳴りの音に慣れていくという仕組みとなっております。

 

この器具はTCI(Tinnitus Control Instrument)と呼ばれており、一日に20分程度の心地良いノイズを聞くことから始め、最終的には一日に6時間程度まで時間を延ばすことで、半年間から1年間ほどで耳鳴りが軽くなっていることを実感できるでしょう。

 

保険外治療となっているため、TRT療法を行うには約6万円程度の費用が掛かってしまいますが、有効率が高い耳鳴りの治療ですし、自分に合うかどうか確かめてから購入できるという点も大きなメリットです。

 

治療期間が少々長いというところがTRT療法のデメリットですが、個人によっては1ヶ月程度で耳鳴りに多少の変化が生じる可能性はありますし、最終的にはこの器具を装着していなくても耳鳴りが気にならなくなる状態まで回復できます。

 

慢性的に耳鳴りが生じていないのであれば、それは生理現象の一つなので、特に本格的な治療を行う必要はありません。

 

しかし、繰り返し引き起こされているという方は、耳鳴りによってストレスが増幅し日常生活に悪影響が生じるので、TRT療法を利用して治すのは選択肢の一つなのです。

 

ただし、事前に医師から説明を受けるはずですが、「うつ傾向が強く複数の神経症状を併せ持っている」「器具の音が聞こえないほど高度な難聴を患っている」「耳鳴りの消失を希望している」という方は施行が困難となっております。

 

上記でも説明致しましたが、TRT療法は完全に耳鳴りをなくすような治療方法ではなく、耳鳴りが不快な音だと感じさせなくする処置だということを、頭に入れておいてください。

 

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